トラヴィスの狂気


Taxi Driver 「タクシー・ドライバー」の疑問 
  CCバクスター  1999/07/11


DVD観ていて、ふと思ったのですが、
ラストで気絶寸前のトラビスは自分の首に銃を向けた後、
ソファの方に向かって引き金を引きますが(空砲)、
これはアイリスを狙っているのでしょうか?

今まで、ずーっとそう思ってましたが、
よく見ると、発射角度的にアイリスには当たらないような気もするし、
かといって指ふっとばされたオッサン狙いでもなさそうだし・・・
やはり順当に?アイリス狙いなんですかね。
岩窟王さん、どう思います?




岩窟王  1999/07/11

>バクスターさん


 いま、TVを2画面にして、ワイド版のLDで確認しています。
 いまさらながら、トラヴィスのデニーロが細くて若いですねぇ〜。
 「誰も...彼女..には...触れ..られ..ない


 さて、ラストの件ですが、
 なんで、アイリスを撃つ為に銃を向けたなんて考えるのよぉ〜?!(笑)
 トラヴィスは、彼女を救う為に特攻したんじゃないのぉ。

 あれは単に、弾を撃ち尽くしたのを確認する為に、
 ソファに向けて試射しようとしていたんだと思いますよ。
 ラストのシークエンスが暗くて薄汚れているのは、
 血が多すぎて成人指定になりそうなのを恐れたスコセッシが、
 「撮り直しは出来ない。なんとか画面の血を隠してくれ」
 と特殊効果の連中に頼んだ結果だと、何かで読みました。

 それに、DVDソフトとしては最初期のものですからねぇ〜。
 でも、TVサイズのLDに比べたら、百倍きれいですよ。



なるほど。  CCバクスター  1999/07/11

試射ですか!
そうかもしれませんね。
銃口の向いてる角度から判断すると、そう考えるのが最も合理的ですよね。


ただ個人的見解としては、
アイリス射殺を企てているよーに思えてならないんですょね。(←しつこい)(笑)
トラビスこそ、ニューヨークの狂気そのものですし。

   誤解のないように、もう少し詳しく書くと、

トラビスは娼館に乗り込んだ時点で既に心身喪失状態にあり、
発作的に自殺及びアイリスの射殺を企てる・・・
もしくは目の前の少女がアイリスである事すら解らないところまでイカレてしまっていた。

という解釈を、ずーっとしてた訳です。
(決して計画的にアイリスの射殺を試みたのでは無い)

・・・やっぱこの解釈、変ですかねぇ?(^^;;;




『タクシー・ドライバー』僕の解釈   岩窟王  1999/07/11

なるほど! 変ではないですよ。
そう説明されると、よくわかりますね。

個人の捉える視点の違いが、映画の楽しみのひとつでもありますし、
何が正解ということも無いでしょうから、僕のレスももう少し、
言葉を選ぶべきでしたね。
すみません。(^-^;;



僕の解釈を書かせてもらうと

 ベトナムから帰還し、
 戦争後遺症のため社会に馴染めない男が(歪んだ形であっても)
  「NY(世界)をクリーンにしなければ」
 と常々考えながらも無気力に生きている。
 
 彼は閉塞感から抜け出す取っ掛かりとして、
 掃き溜めの鶴であるベツィに片思いする。
 しかし所詮、住む世界の違うベツィにはフラれ、その結果、
 大統領候補を支持する彼女への腹いせに、
 候補者の知事暗殺を企てるが、あえなく失敗。

 新たな戦場、拳銃でクリーンにすべき対象として思い浮かんだのが、
 自分(トラヴィス)と同じ様にNYの底辺で傷付き、
 出口を塞がれているアイリス
 喰いものにしているチンピラども、だったと...。


 アイリスとは、若く、汚れてはいるが、慈しみ、守るべき
 アメリカという祖国のメタファだと 解釈しています。
 ですから、トラヴィスが死ぬことはあっても、
 アイリスが死ぬことはない、というふうに考えていました。

 まして、一兵士に過ぎないトラヴィスが「愛する祖国」を
 「戦い、命を捧げる対象」を殺せるワケなど無いと
 思うのです。

 ベトナムとは違い、自分で選択した
 「命を捧げるべき、意味と対象」の発見
 トラヴィスはどこまでも自己中で、イカれた奴ですが、
 その点で多くの観客が彼にシンパシィー
 感じたのではないでしょうか。

 トラヴィスは、それまでも軍用のコートを着て
 自衛、戦闘の姿勢を見せていますが、
 クライマックスでのモヒカン刈りは攻撃開始のサインであると共に、
 ヘルメットの代わりにも見えます。

 なんか支離滅裂で、要領を得ない話になってしまったぁ〜〜。(^-^;




いえいえ、良く解ります   CCバクスター   1999/07/11

勿論解釈の違いは有りますが、岩窟王さんの説明は理路整然としていて、
とても解りやすいですね。(^^)

確かにクライマックスのトラビスのとった行動に少なからず共感してしまうのは事実なんですよね。
こう書くと、前に自分の書いた事と矛盾が生じる様な・・・(笑)


私なりにまとめてみると、
混濁した意識の中で本能的に
閉塞的状況を打開しようとする意志の崇高さと、
その意志そのものが狂気の上に成り立っている危うさが、
あのシークエンスには同居しており、
それが最大の魅力のようにも思います。
(う〜、こんな文章で意味通じるのか)(^^;;;


あっ、あと(トラビス=ニューヨークの狂気)と書きましたが、その理由は述べてませんでしたね。
勝手な想像なのですが、
トラビスの精神の病は想像以上に深刻だったように思います。
「銃による清掃」という概念事態が狂気ですし。

特にコンビニ強盗を平然と射殺するシークエンスにはゾッとさせられます。

狂気に駆り立てられ偶発的にヒーローとなり、
狂気を抱いたまま夜のニューヨークに溶け込んでいく・・・
ダークなエンディングだったと思います。(もち大好きなエンディングですが)(^^)




岩窟王  1999/07/13

>CCバクスターさん

 トラヴィスの言動(狂気)は、精神病の発芽というより、
 生来から基本的に自己中心的で見栄っぱりでアホな奴が、
 ベトナム戦争へ従軍したことによって、
 より神経症的人格に変異してしまった結果だと思います。


 彼が社会病質者的側面を持つことは間違いありませんが、
 殺戮の果てに警察に捕まるくらいなら自殺しょう
 と決意していた所を考えてると、
 『トラヴィスは侍だぜぇ!』と感心している僕が居ます。(^-^;

 自分を英雄視した新聞の切り抜きや、
 アイリスの父親からの感謝の手紙を壁に貼り付けていたりする
 ことから想像すると、
 案外、あの事件とその後の病棟生活によって、
 彼の病はかなり癒されているのでは?
 なんて気もするんですよね。


 ベツィと再会するあたりのラスト・シークエンスを観ても、
 仲間と談笑する彼の姿は、なにかツキものが落ちた様で、
 殺伐としたものは感じられませんし、
 彼なりに、タクシードライバーとして、
 それ相応の人生を送って行くんじゃないか
 と考えたりしちゃいます。

 僕にとってあの映画のラストはけっして不吉なものではなく、
 けっこうハッピーエンディングですね。

 ここは、バクスターさんの解釈とはまるで反対なんですけど...。(^-^;

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