「グリーンマイル」


「グリーンマイル」を観る
岩窟王 2000/04/27


「グリーンマイル」THE GREEN MILE 75点

監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーブン・キング
製作:デビッド・バルデス
撮影:デビッド・タッタサール
美術:テレンス・マーシュ
編集:リチャード・フランシス・ブルース

出演:トム・ハンクス、マイケル・クラーク・ダンカン、
   ディビット・モース、ボニー・ハント、
   サム・ロックウェル、ダグ・ハッチソン、
   バリー・ペッパー

188分、'99年・米



傑作
「ショーシャンクの空に」の監督が再び
ティーブン・キングの原作を映像化した作品、
それがこの
「グリーンマイル」です。
キングらしさはこの原作の方が色濃く、
「ショーシャンクの空に」と同じタイプの
感動作だと思って行くと、ちょっと戸惑うかも
しれません。

CMで、監督自身が「スピルバーグを泣かせたよ。
それも4ヶ所でね」と語っているように
泣かせることを意図した映画なのかもしれませんが、
僕自身は単純には泣けませんでした。


これは、幼い姉妹をレイプして殺した罪で
刑務所の死刑囚専用棟に送られて来た、
黒人の大男についての物語です。

この男は、
他人に触れるとその人の過去や考えが分かり、
病気を癒したり、失われた命を復活させられる
特殊な能力を生まれながらに持っています。

世の中がいかに残酷で救いが無いかを知っている
この大男は、人の苦痛や憎悪に対してとても敏感で、
なにかというと涙を流しています。

彼自身や奇跡を目の当たりにした看守達には
神が何のために彼にそんな力を与えたのか
理解出来ません。


ジョンが無罪であることを確信しつつ、
その不思議な力の恩恵を最大限に利用しようと
画策するのが
トム・ハンクス演じる看守主任ポールです。
善意からの奔走とは云え、
彼の行いは、やがて彼自身の人生に大きな影響を
もたらす事になります。
それをポールは「」と呼びます。


これは
「デッド・ゾーン」と同じテーマを持つ物語で、
単なる「泣かせる感動作」という括りには
抵抗と疑問が残ります。


俳優で云えば、ポール役をトム・ハンクスが演じた
ことは、観客を引き込む意味では効果がありましたが、
善人のイメージが強すぎて、清濁併せ持つはずの人間
しかも死刑執行官という、ある意味、
矛盾と罪に満ちた人間を神に代わって裁く職業を持つ男
としての意味付けが薄まった様にも感じました。


60〜70年代の監獄映画を観て育って来た僕には
刑務所の所長や看守たちは敵役の印象があります。
その点で、職務に忠実なだけで基本的には善人という、
この映画の所長と看守像を(新鮮ではあっても)
どこか嘘臭く感じてしまうのでしょう。

小心なくせにエバリ散らしている看守のパーシーや
ただただ残酷な快楽殺人者のビリーの方が
遥かにリアルに感じるのは、
僕が毒されている証拠なのかもしれません。


基本的には面白かったですし、笑える場面
(トム・ハンクスは
「プリティーリーグ」でも
 見せたように、ほんとに小便シーンが上手いですね)
も、ホロッとくる場面も多いのですが、
やはりちょっと長すぎる印象が残る映画ですね。
いや、見ている時に退屈とは感じさせないのですが、
もう少し刈り込んで、テーマをはっきりさせて
ほしかったと思うのです。
そんなワケで75点という中途半端な点になりました。



蛇足ですが、
現在の死刑執行に薬物が多用され、
無痛死が一般的になったのは、
この映画の舞台になった時代の電気椅子が
あまりに残酷で、故障などによる事故や
(電力事情が不安定な地域や戦時下では)
電圧が低く苦痛だけで死に至らない囚人が
多く報告されたという事も
関係しているようですね。
なにかの本で読んだ覚えがあります。

Amazon.co.jp アソシエイト
In Affiliation with AllPosters.com
Buy movie posters!
In Association with Amazon.com
Amazon.com
Video Universe - Hot Movies At Low Prices!
Videouniverse.com


目次へ



BACK  王国の入口へ  NEXT