「日本沈没」


怪奇映画雑記
 岩窟王   2000/01/07



60年代から70年代中期にかけての邦画には
けっこう良く出来た恐怖映画や怪奇映画が
製作されていましたね。
題名が判明した、
「昆虫大戦争」も怖かったですし、
大映の怪談映画、妖怪映画なんかも良く出来ていました。
「妖怪大戦争」なんか好きですねぇ〜♪

新東宝の
「東海道四谷怪談」('59)「地獄」('60)
などの中川信夫監督作品や
小林正樹監督の
「怪談」('64)などは
いまでも世界的に誇れる傑作と云えるでしょう。


この手の映画は、冷戦時代に入ってから
米国でも数多く製作されましたが、
低予算で笑っちゃうものが大半で、
その中の一部の映画は、いまではかなり
マニアックなカルト映画になってますね。
(有名なのはエド・ウッドでしょうか)


50年代から60年代のユニバーサル作品、
コロンビア映画は怪奇SF物が多かったですし、
当時はポルノは御法度ですから、
独立系で製作される映画のほとんども
怪奇・SFものでしたもんね。
(まあ、独立系の弱小映画会社は今でも
 ホラーとSFとアクション映画が主ですけど...。
 ポルノ映画はVTRに移って、絶滅して
 しまいましたからねぇ)


英国ではハマー・プロの作品が有名ですね。
クリストファー・リー主演のドラキュラものは
カラーでしたし、欧州らしくゴシック調で
格調高かったですね。
和製吸血鬼映画としては、血を吸うシリーズ
3部作が思い出深いですねぇ〜♪
代表作は
「血を吸う薔薇」('74)だと思いますが、
主演の故・岸田森がいい味出しているんですよぉ。
僕は全作、小屋で観ているはずです。
小学生や中学生に、こんな映画を平気で見せるのは
日本くらいじゃないかなぁ。(笑)


50年代から活動し、
数々の有名監督や俳優を育てた事でも有名な
低予算映画の帝王、ロジャー・コーマンが
この手の映画で一番儲けた映画人かもしれませんね。



久々に、小津さんの
「浮草」「日本沈没」を再見。

「浮草」('59)
自作の「浮草物語」のリメイクで
小津さん唯一の大映映画です。
宮川和夫さんのカラー撮影が綺麗ですねぇ〜♪
旅芝居一座を率いる
中村雁二郎の上方なまりの怒声がいい味出してますねぇ〜♪
京マチ子も艶っぽいし、若い(!)若尾文子もいいなぁ〜♪
杉村春子は抑えた演技が役を深読みさせますし、
旅芝居一座の団員を演じた、
黒澤組の常連俳優でもある、名脇役の三井弘次のウマい事!
舌を巻きますねぇ〜♪


「日本沈没」('73)
シネスコワイドで観たのは映画館以来でした。
やはり、映画は撮影された画角で観ないと駄目ですね。
すごくお金がかかっているのが分かります。
70年代くらいまでは、まだこんな大作を作れる体力が
映画会社に残っていたんですね。

特撮(中野昭慶)はいま観ても完成度が高いですし、
スタッフの多くは元黒澤組です。
監督森谷司郎歴代助監督の中でもNo.1と云われた人で、
「悪い奴ほどよく眠る」「用心棒」「椿三十郎」
「天国と地獄」「赤ひげ」
などのチーフを務めた方ですし、
脚本橋本忍
「七人の侍」「生きる」の他、「砂の器」「八甲田山」
撮影は、最近バラエティー番組でおなじみの木村大作
「隠し砦..」から「どですかでん」まで撮影助手、その後
 「八甲田山」「復活の日」「駅/Staition」「鉄道員 ぽっぽや」
美術はほとんどの作品に参加した村木与四郎
音楽「蜘蛛巣城」から「赤ひげ」の絶頂期に組んだ、
佐藤勝です。


でも、藤岡弘って、ガングロの元祖ですね。(爆)
暑苦しいし、哀しいくらい大根です...。
スタッフは一流でも被写体が悪くては仕方がありません。
(でも、アメリカ映画に主演した
「ソード・キル」は結構、好き)

小林桂樹の博士と丹波哲郎の首相は
ちょっと熱演過ぎますが、いま観ても適役な感じがします。


劇中、原作者の小松左京がチラッと出演していますが、
こういう原作者のゲスト出演って邦画には多いですよね。
観た覚えはありませんが、
都知事の石原慎太郎も出ているそうですし、
三島由紀夫に至っては、主演映画まであるそうです。
「人間の証明」には森村誠一が本業だったホテルマンの役
でゲスト出演していたと思いましたし、
最近では
「リング」でも鈴木光司が、デパートの屋上のシーン
で家族連れの父親役として出ていました。

海外だと、
「ジョーズ」でTVレポーター役を演じていた
ピーター・ベンチリー(共同脚本)とか、
「クリープショー」「ペット・セメタリー」
スティーブン・キングが有名ですね。




「日本沈没」再考  岩窟王  2000/01/11


「日本沈没」

久々に観直して感じたのですが、
この作品は、自然災害時や戦争勃発時に
東京や日本がどんな状況になるかの
優れたシュミレーションになっているんですね。

*大火災が発生しても瓦礫や交通網の寸断で
 消防活動は事実上不可能であること。
*海抜0メートル地帯はほぼ壊滅してしまうこと。
*警察は無力で、すべて自衛隊まかせということ。
*その自衛隊も物資や人員の不足、法律上の制限で、
 たいした活動は出来ないこと。
*非常食の備蓄が圧倒的に不足すること。
*そして何よりも、政治家や自衛隊のトップには
 危機管理能力が決定的に欠如していること。


この映画が作られたのは'73年ですよぉ。
小松左京の原作が大ベストセラーになったのは
その2、3年前です。
阪神大震災が起こる何年前ですか?

映画製作から27年後の今日、
いまにも関東大震災が起こっても不思議じゃないのに、
この映画で描かれた、これらの不備は、
少しは改善されたのでしょうか...。
とてもそうは思えないところが、恐ろしいです...。



小松左京原作の映画と云えば、
「日本沈没」と並んで、
角川春樹製作、深作欣二監督の超大作、
「復活の日」('80)を挙げなくてはなりません。

この邦画離れした、スケールの大きなSF映画は、
角川春樹でなければ作れなかったでしょう。

個人的に彼を好きなわけではありませんが、
この作品を完成させた情熱には頭が下がりました。
彼は海外のプレスやキャスト、プロモーターに
「深作は日本のスピルバーグだ」
と言って回ったそうです。(笑)

小松左京モノは大風呂敷のタタミ方(ラスト)が
強引でイマイチなのですが、
LDかDVDが出たら絶対買います!!
エスモックさん、
プレミアム・コレクションで発売して下さい!
もちろん、角川さんか東宝さんでもOKですぅ。




いなり 2000/01/13



「日本沈没」
あの頃の日本映画はまだこんな大作が撮れる元気があったのが今では信じられない。。
そういえばこの映画のリメイクの話もあったんですが流れてしまいましたねー

でも、どうせ今リメイクして作ってもろくなものが出来なかったと思いますけど・・
小松左京モン
「さよならジュピター」「首都消失」は最悪だった記憶が(^ー^;




lee  2000/01/16


>「さよならジュピター」
うちのHPで扱ってるんです。それ。
別にホメてないですけど。
マーク・パンサーの遺作(予定)です。
「エスパイ」はどうですか?




岩窟王  2000/01/18


>leeさん

「エスパイ」('74年・東宝)

またまた元祖ガングロの藤岡弘主演作ですね。(笑)
共演が由美かおる、草刈正雄、若山富三郎です。

世界の要人暗殺を企む悪の超能力者集団と
正義の超能力集団「エスパイ」の死闘を描いた作品ですね。


あまりに昔の映画なので細かい所はよく覚えていませんが、
アクション・シーンはけっこう面白かった記憶があります。
でも若手の俳優は揃いも揃って大根ばかりですから、
物語の部分は大したことはなかったでしょうね。
因みに、「エスパイ」とは「エスパー」と「スパイ」を
カケた造語です。

嘘か本当か、冷戦時代のソ連では、
軍事や諜報目的で超能力者の養成と研究が盛んだと
言われていた時期があります。
この小説はその頃に書かれました。

僕は原作も読んでますが、なにも覚えていませんね。(^-^;;
やはり小松左京の最高傑作は小説も映画も
「復活の日」のように思います。
だっていまだにストーリーや細かいシーンを
覚えていますからね。

Amazon.co.jp アソシエイト
In Affiliation with AllPosters.com
Buy movie posters!
In Association with Amazon.com
Amazon.com
Video Universe - Hot Movies At Low Prices!
Videouniverse.com


目次へ



BACK  王国の入口へ  NEXT